どうも、アプです。皆さんは以前私が和室の壁の補修に挑戦し、そして儚く散った出来事を覚えておられるでしょうか…。
実はこの度私アプ、(懲りずに)リベンジマッチに挑戦いたしました。
1.まずは土壁の現状把握
まずは今回のリベンジマッチ舞台となる壁一面全体をどうぞ。ご覧の通り、窓下の前回補修範囲が自分でもびっくりするくらい周りと浮いています。ちょっと悲しくなってきた。しかしその他は一見何の問題もなくキレイなのでは…と思いますが、
こういった浮きや、物をぶつけた際についた擦り傷などそこらかしこにダメージがあるのです。
土壁の補修になぜ失敗したのか
まず、どうして私が以前の補修に失敗してしまったのか原因を考えます。
以前の記事でも述べた通り、京壁は材料の特性上、既存のものと新築のものの色を一致させることが非常に難しい。最初から分かっていたことですが、それでも思っていた以上に一部分だけ色が違う状態の違和感が強かったのです。大きく欠けた穴自体は問題なく埋められたので、見た目(意匠)上の問題のみということ。色合わせのみの問題だということは、補修部分も存置部分も同時に色を塗ってしまえば解決する…っ!
「京壁専用補修材」という存在
デデーンと大きく10kg!前回使用した「京壁キズなおし」の販売元であるフジワラ化学株式会社さんが出しているその名も「京壁なおし」です。京壁専用補修材と銘打っているだけあって、しっかり「古壁に塗れる!」の記載が。期待が高まります。購入色名は「黄土」色。
京壁キズなおしの色見本を請求した際に、京壁なおしの色見本も同封してくださりました。何かを予感していたのでしょうか。使用方法の説明には別売りの「アクドメール(下地強化アク止めシーラー)」を塗ってから、上塗材として塗布するよう記載されていました。そして「※他社の下地材は使用しないでください。」との注意書きも。(アクドメール側にも他社の上塗材の使用は避けるよう記載有り) 含有成分はおそらく大体一緒かと思いますが、下地材と上塗材はメーカーを一致させていた方がいいのかもしれません。今回私は4kgポリ缶(二度塗りで約16㎡分)を購入しました。
2.さっそく土壁の塗り替えに挑戦
まずは下準備
まずは前回もやった手順でダメージのある場所にネットテープを張り付けパテで埋めていきます。私は横着してネットテープを大きめに張り付けていますが、当然、必要最低面積で納めた方が仕上がりは綺麗です。
下地材の塗布
養生も簡単にですが済ませたところで、アクドメールを塗布します。今回は年季の入った京壁が相手なので、ガチガチに下地を固める必要があります。
メーカー推奨の工程としては、
- 壁を簡単に掃除する。(埃等の除去)
- アクドメールを水で2倍に希釈したものを塗る。(たっぷりめ)
- 乾燥後、アクドメールの原液を塗る。
の3工程。
イメージとしては②で壁の内部をある程度固め、③で表層部もがっちり固める感じでしょうか。下地材から二度塗りをする必要があるため、多少手間が増えてしまいますが、手で壁を触ったときに砂が多少でも落ちる場合はこの二度塗りを行った方が上塗材を塗布する際に楽になります。
アクドメールの中身はこんな感じ。木工用ボンドを水で緩めたような感じです。乾くと透明になるところもボンド。手について乾くと薄皮をめくるかのように剥がせるところも最高に木工用ボンドです。
隅部を刷毛で塗ってから、広い面をローラーを使ってグリグリと積極的に染み込ませるように塗っていきます。一度塗りの乾燥にかかる時間に関しては、天気や気温によっても変わるとは思いますが、希釈した液は塗布後2時間経過した頃には触ってもベタつく感じはありませんでした。(梅雨の雨天時に塗布/23℃前後)
なお、下地材塗布後は壁が吸水して柔らかくなっているため非常に傷付きやすい状態となっています。物をぶつけない様に注意しましょう。←ぶつけた。
二度塗り塗布完了直後はこんな感じ。ムラがあるため写真で見るとホラーっぽいですが、乾燥すると完全に透明になり一見何もしていないように見えます。
いよいよ京壁なおしを塗布
パッケージの中はこんな感じで、厚手のビニール袋の中に液体がそのまま入っています。すでに液状に練られた状態で届き、そのまま塗布することができるため初心者には非常に嬉しい仕様となっています。ビニール袋を開封する前に入念に液体を混ぜてから、ローラーバケットに適量移します。
下地の時と同様にまずは端から。パテ材の白色が完全にカバーされているのを見て私は勝利を確信しました。
ローラーで広い面をグリグリと塗っていき…
一度塗り完了!この時点ではまだまだムラが目立ちます。表面を触っても塗料が手に付かなくなったら二度塗りを行います。
今回はローラーバケット内に移した塗料分を全て使い切りたかったので、三度塗りも行いました。三度塗りまでするとさすがに塗布完了直後でもムラはあまり目立ちませんね。一度で欲張らず、薄く薄く塗り重ねていくのがポイントなのかもしれません。
三度塗りの塗料が乾燥し、養生を片付けた状態がこちらです!うそ…やだ、キレイ…!
ちなみに養生テープを剥がすときは、あらかじめテープと壁の隙間にカッターを軽く通しておくとキレイに剥がすことができます。(そのままだとボンド状のアクドメールが固まっていて、上塗材も剥がれる)
いざ壁一面の塗り替えをしてみると全く他面の壁との違和感が生じることもなく、馴染んでいます。これは嬉しい。遠目で見た分には完全にリベンジ達成!と言いたいところですが…
やはり下地時にした横着は完成時に跳ね返ってきます…。よくよく見たらネットテープを貼ってあることが分かります。…まぁ、よくよく見ないと分からないから…。
3.まとめ
今回はっきりとしましたが、やはり壁のような面積の大きな場所においては色差が非常に目に付いてしまいます。言い換えると、同色であれば多少の欠点は見つけにくいということ。パテ等下地補修時の仕上がりが多少粗かったとしても、上から同じ色を塗ってしまえば分かりにくくなります。前述したネットテープの件も、全く同じ色であるためにそこまで目立たずに済んでいるのでしょう。ということは部分的に補修を行うよりも、時間は大幅に掛かってしまいますが(今回のDIYは約4日掛かりました。)一面全体をやり直した方が結果的には簡単に成果を得られるのかもしれません。
また今回は既存壁の色に最も近い色を塗りなおしましたが、4色展開(薄黄・黄土・若葉・松葉)の中で似た色がない場合は、いっそのこと全く違う色を塗っていた方がアクセントが効いてオシャレに仕上がるかもしれませんね!
使用した塗料はアクドメールはあと1面分程度、上塗材は一部屋全面分くらいは残ったため、この部屋全面塗り替えてみようと思います!